2010年04月15日

『モリエール 恋こそ喜劇』"MOLIERE"

コスチュームプレイってどれもおんなじに思えて来ちゃったりするんだよなー、モリエールのことも名前くらいしか知らないし、と思ったものの。開始時間がちょうどよく、かつ評価が高かったのが気になっていたので鑑賞。

お話は、全く売れない役者で劇団の団長である若きモリエールが、税金が払えずにつかまってしまうところから始まる。モリエール、悲劇がやりたくてしょうがないのだがそっちはさっぱり受けず、実は喜劇のほうに才能があるという、『デトロイトメタルシティ』的な悩みをかかえている。

この悩みと迷いをどういうきっかけで断ち切って、彼が喜劇が得意な劇作家として立つにいたったか、という辺りを、続きを読む
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2010年03月29日

『シャネル&ストラヴィンスキー』"COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY"


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ストラヴィンスキー『春の祭典』の初演。その変則的なリズム、不協和音、クラッシックバレエとはかけ離れた不条理でプリミティブ衣装と踊り… 

観客のブーイングが飛び交い、大騒ぎとなる。開演前から神経質な表情を浮かべていたストラヴィンスキーは激しく落ち込む。そんな中、客席に静かな笑みを浮かべてうっとりするかのように聞き入るココ・シャネル。斬新さ故に批判される事柄には動じず、自分の信じるものを愛する強さをたたえて。

なんといってもアナ・ムグラリスの美しさと威厳は圧倒的で、ラガーフェルドによるという美しすぎる衣装を着こなし、完全に女でありながら、完全に自由で孤独で独立しているのだった。

ボーイの事故死以後、黒いドレスを着ていたが、ストラヴィンスキーとの関係がたかまってくるにつれ白い服をまとうことが多くなる。ある決意でシャネルがストラヴィンスキーの部屋を訪れるときの白い、オリエンタルさを感じさせる、ビーズ刺繍のついた絹のドレスが圧巻。それはすぐに脱ぎ捨てられるのだが。。。

ストラヴィンスキーを演じるマッツ・ミケルセン。ぴったりとしたオールバックにした髪や、丸眼鏡、骨格のはっきりした顔つきなど、爬虫類のような神経質さを感じさせるけれど、脱いだときの存在感のある体に少しびっくり。元々アスリートだった人なんですねー、と納得。冷静さを剥がされ、髪を乱した姿と、あの厚みのある体。体を重ねるシーンでの臨場感と高揚感がとても良かった。

シャネルの別荘の内装やラリックによるらしい調度も細部まで美しくずっとみていたいようだったし、二人を映す構図なども芸術的。そしてストラヴィンスキーの曲のリズムや不協和音が、行き場のない情熱や欲望や嫉妬を表すかのようで、しっくり感じられる。

シャネルとストラヴィンスキー。この二人に実際恋愛関係があったかどうかはあくまで仮定の上でのフィクションらしいけれど、この映画の中で、短い期間の二人の関係を切り取りながら、その関係性、情熱、苦悩の化学反応としてのシャネルNo5という香り、そして『春の祭典』の再演へと二人が昇華させていった様は、真実の羅列以上に彼らの人となりというものを描き出しているではないかしらー、などと思ったのだった。堪能。
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2010年01月17日

『(500)日のサマー』"(500) days of Summer"


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フリーハンドでビルたちが描かれてゆくオープニングから、ああ、好きな映画、って思った。

トム君のへなちょこ具合がどーしようもなくかわいい。建築家を目指していたけど挫折してグリーティングカードの会社で働く彼。運命の恋を信じてるのに、続きを読む
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2009年10月20日

『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ 』


ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ [DVD]

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健全な精神を持っているので(?)、ダメ男に惹かれたことは、多分今まで一切無い(はず)。破滅型の人も、そんな話も苦手。この浅野忠信演じる、太宰をモチーフにした男と、その献身的な妻の話と言われても、食指は動かなかったのだった。しかしこの昔の雰囲気をたたえて、続きを読む
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2009年08月26日

『南極料理人』


南極料理人 [DVD]

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笑ったー。ツボにどストライクでした。お腹を抱えて大笑い、じゃないんだけどグフフフ…笑いの連続。なんかもう、箸が転んでも、続きを読む
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2009年08月13日

『HACHI 約束の犬』"Hachiko : A Dog's Story"


HACHI 約束の犬 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 松竹
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ひねくれているせいだと思うが、どうも、「忠義」とか「忠誠」とかの話にそれほど魅力を感じない。忠臣蔵とかもあまり興味ないし。忠犬ハチ公の話はなんとなく知っていた、渋谷のハチ公像の前もよく通るが、忠犬に愛おしさを感じるよりはむしろ、犬の忠誠って重いかも… などと思ってしまう(今犬好きの人に総スカン?)わたし。動物中心の話もあまり観ることがない。ハチの話がハリウッドで映画化、と聞いたときにはビックリしたが、全然食指は動かなかったのだ。ラッセ・ハルストレムが監督すると知るまでは。

あー、でもさすがは『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』の続きを読む
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2009年07月23日

『愛を読むひと』"The Reader"

愛を読むひと (ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ 出演) [DVD]
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少年の、ある一夏の経験。初めての体験、恋。それは初々しく、マイケルは可愛い。家族との食事中、自分の唇の感触を思わず確かめてしまう。それはたぶん、一夏の恋としての甘い思い出に変わるはずだった。実際、友人とのつきあいや、同年代の女の子との時間が大切になって来た頃、唐突にハンナは去る。

ハンナ。骨太の、硬質な年上の女。マイケルに愛着はあったかもしれないし、続きを読む
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2009年05月17日

『グラン・トリノ』"GRAN TORINO"

グラン・トリノ [DVD]
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イーストウッドを信奉するひと、愛してやまないひと、敬愛するひと、がたくさんいるのを知っているので、憚られるのだけれど、イーストウッドにはちょっと苦手意識があるのだ。だから最近の作品は殆ど観ていない。

観ていないのに苦手というのも変なんだけど、続きを読む
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2009年03月08日

『ロシュフォールの恋人たち』"The young girls of Rochefort"

ロシュフォールの恋人たち [DVD]
カトリーヌ・ドヌーブ, フランソワーズ・ドルレアック, ジャック・ドゥミ
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大雨の日に、『シェルブールの雨傘』を観ようかと思ったけれど、時間があわず、こっちの鑑賞。だけど、正解!冷たい雨の憂鬱なんて忘れました。観終わって、ただただハッピーです。

ミシェル・ルグランの時に軽妙な、時に切ない旋律に、

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ラベル:ミュージカル
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2009年02月20日

『キャラメル』"Caramel"

キャラメル [DVD]
ナディーン・ラバキー
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キャラメルの海で始まるオープニング。白い字で浮かび上がるアラビア文字がなんか官能的に感じられる。綺麗なお姉さんが、何やら美顔とか化粧をお客に施している。ここは、ベイルートの美容院。タイトルのキャラメルの用途は少し意外だったが、わかってみれば、さもありなん、でした。

レバノン、ベイルートなどと言うとどうも、銃弾や爆発の音を思い起こしたり、続きを読む
ラベル:大人な貴女に
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2009年01月28日

『エレジー』"Elegy"

エレジー デラックス版 [DVD]
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最初から最後まで不思議なほどにデイヴィッドに感情移入していた。彼の気持ちが痛いように感じられる。簡単には誘えないほどの高貴さをもった美しい若い女に息を呑み、続きを読む
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2009年01月27日

『英国王給仕人に乾杯!』"I served the King of England"

英国王給仕人に乾杯! [DVD]
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英国王に給仕するところなんて出てこないのだ、これが。英語のタイトルでは"I served the King of England." これはプラハの高級ホテル、ホテルパリでヤン君が働いていたときの有能な給仕長が、一目みただけで客の出身地や頼むものまでピタリと当てることから、「何故そんなことがわかるのか?」と問われたときに、まるで水戸黄門の印籠のように言い放つ台詞。

小さいヤン君。夢は大きく、続きを読む
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2009年01月21日

『真珠の耳飾りの少女』"Girl with a pearl earring"

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オリビア・ヘトリード
メディアファクトリー 2005-01-25

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堪能した。

スカーレット・ヨハンソンの肉の厚みを感じさせる白い顔、ぽってりとした唇。堅実で働き者で清純な少女は、その肉感をきっちり頭にかぶった頭巾で覆い隠すけれど、時にその隙間からふいに露になる情感。

中世のオランダの町。洗濯物が凍る寒さ。雪の中、運河が凍てついて船が立ち往生する。薄い肩掛けで町を行くメイドのグリート、それを俯瞰する映像。

画家のアトリエに
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『マーサの幸せレシピ』"Mostly Martha"

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サンドラ・ネットルベック
東芝デジタルフロンティア 2003-05-23

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ハリウッドのリメイクを先に観てからの鑑賞。

こちらのオリジナル版を観て、ラストのあしらいとかはちょっと違うものの、あー、リメイクは相当にきっちりなぞって作っていたんだなぁ、と思った。パオロ・コンテのあの曲まで続きを読む
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2008年11月09日

『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』"Every little step"

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マイケル・ベネット, ドナ・マケクニー, ボブ・エイヴィアン, バイヨーク・リー, ジェイムズ・D・スターン;アダム・デル・デオ
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自分自身は前屈しても簡単に床には手がつかないほど体が固いし(汗)、簡単なフォークダンスの振りつけすらロクに覚えられないのだが、映画の中で、舞台で、ダンサーたちの優雅かつ躍動的な動きには否応なく惹きつけられる。軽々と宙を舞うその軽さ。美しく伸びきった手足と、それを支える筋肉、リズム。初めてバレエを観たとき、小学生だったと思うが、劇場から出てもまだ興奮さめやらず、帰る観客たちの人たちの中で思わず足をあげてみたっけ。

ミュージカルか映画を観たことがあれば言わずもがなだけど、『コーラスライン』は、続きを読む
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2008年11月02日

『しあわせのかおり』


しあわせのかおり [DVD]

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  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
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中華料理は、作る過程がダントツに映画映えする料理、だと思う。

あの強力な火力で高温に熱せられ、中華鍋のなかで泡立つ油。素材が流し込まれるときのジュっという音、沸き立つ湯気、一瞬にしてに艶やかにふっくらと変化する卵。または肉をミンチにしたり野菜を切る時のリズミカルな音。鍋が振られると食材は鮮やかさを増して宙を舞い、お玉と鍋がぶつかりあう音が小気味良い。手の中から魔法のように小龍包や蟹シュウマイが包み上がってゆく。カメラを曇らせそうな蒸し器の湯気。

料理道具がシンプルなのも材料と工程を引き立てる。黒い鉄の中華鍋やお玉、ジャーレン。丸太のようなまな板と、四角く大きな中華包丁。

王さん(藤竜也)の命のスープとでも言うべき鶏のスープを貴子さん(中谷美紀)が初めて作る。固まった鶏のミンチやネギをそっとお玉でかきわけると、まるで秘密のように透明な美しいスープが湧きだす。

*****

金沢の港町の小さな中華料理屋さんが続きを読む
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2008年09月25日

『おくりびと』

おくりびと [DVD]
本木雅弘, 広末涼子, 余 貴美子, 吉行和子, 滝田洋二郎
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はー。劇場でグっときたり涙がにじんじゃったりということはたまにあるけれど、涙と鼻水がでて肩の震えがとまらないくらい泣いてしまったのは、たぶん5年ぶりくらい。

泣けるからいい映画だっていうつもりはないけど、生と死のこと、今までになくしてきた大切な人たち、これから先静かに待っている誰かの死、生まれて来た子供のこと、続きを読む
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2008年09月18日

『大英雄』"東成西就" "The eagle shooting heroes"

大英雄
レスリー・チョン
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この作品(『大英雄』)をお気に入りに入れている人は、ほかにこんな作品もお気に入りに入れています、とYahoo映画の解説の下のほうにでてくる映画たち。


花様年華
欲望の翼
インファナル・アフェア
さらば、わが愛 覇王別姫
英雄 ~HERO~ 通常版

… 

うんうん。どれも、切ない愛に、男の悲哀に、運命の皮肉に、孤独と絶望に、華麗なアクション、美しい映像と音楽に涙し、胸を貫かれた映画だったなぁ。としばし感慨に浸る。

さて。

DVDを入れて鑑賞体制に入る。やがて予告編も無しに唐突に映画が始まると、わたしの感慨を180度裏切る、ベタなテーマソング(ジャッキー・チュンが歌ってるらしい)と安っぽい金色のカーテン。そして、続きを読む
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2008年08月27日

『画家と庭師とカンパーニュ』"Dialogue avec mon jardinier"

人生の夏の時代を過ぎた二人の中年のオジサンが、偶然、フランスの田舎で再会する。二人は幼なじみだった。

一人は国鉄職員として地道に退職まで働き、一度も地元を出ず、妻を愛し、庭を愛し、天気を読む男。もう一人は、パリで画家をしていて、ジャズピアノを弾き、あらゆる意味で都会的な生活をしていたが、夫婦関係や創作活動にも多少厭きて、生まれ故郷に帰ってくる。

労働階級vs.芸術家だとか、田舎者vs. 都会の男だとか、想像できそうなコンフリクトもほんの少しは出てくるものの、続きを読む
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